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2006年09月16日

3

私は高校生になった。
私とタラは三流の進学校へ、一宏は私たちとはべつの、準一流進学校に入った。
ただし、バンド仲間ということで、一宏との交流が絶えることはなかった。

私とタラは異なるクラスに配属された。
入学してしばらく後、同じフロアのクラスで、私は妙に印象深い男を見た。
中途半端に長い頭髪を持ったその男は、常に酩酊しているような印象を受けた。
気にはなったが、クラスも異なるので、その時はこれといって接触することもなかった。
私がこの男と関わるのは、もう少し先のことだ。

ある日、タラから同じクラスの友人を紹介された。
図子(ずし)なんとかというその男は、ズッサンと呼ばれていた。
彼もまた、バンドをやっているらしかった。
ズッサンは、別の高校に行っている中学時代の同級生に、面白いギタリストがいるので是非紹介したいといっていたが、結局それがかなわぬまま1年が過ぎた。

春休みに、毎年恒例のライヴイベントがある。
卒業ライヴとかなんとか、ベタな名前だったが、そこに、先述したズッサンの知り合いのギタリストが出るというので、見に行った。
とにかくカッティング(ギターテクニックの1つ)の下手なギタリストだった。
その時初めて、俺は阿守という男を見た。
ただ、その時は特に会話をすることもなかったように思う。

高2の夏ごろに、私は自分のバンドで使うためにMTRという機材を買った。
金はみんなで出し合ったように記憶している。
MTRとはマルチ・トラック・レコーダーの略称で、バンド録音機とでも言えばいいのだろうか。
とにかくバンドの音を録音するのに便利な機械だという認識があれば、それで問題ない。

ちなみに私はこのころ、タラのいるバンドと一宏のいるバンドを掛け持っていたと思う。
というのも、ドラマーというのは人口比率が他の楽器に比べて極端に少ないので、結構なオファーがあり、自分でもそのころどのような活動をしていたのか判然としない。
また、タラが一体なんの楽器をやっていたのか、気になる方もおられるとは思うが、タラからは「出来れば秘密にしてくれ」といわれているので、明かさないでおくことにする。
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posted by ニヒリストHILAO at 08:37| Comment(0) | 死国編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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