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2006年10月21日

8

高校卒業が近づいてきた。
私は高校卒業後、大学には進学せず、大阪の音楽学校へ進むつもりだった。
四国の人間が都会へ出るときは、大阪を選ぶ場合が多い。
近いから、というのが、その要因の大多数をしめるはずだ。
かく言う私もそうだった。
進学の件を両親に話したが、前述したとおり、私の両親はニヒリストなので、大して反対もされなかった。
数日後には
「学費振り込んどいたぞ」
という返事が返ってきた。

他のメンバーも共に大阪に行くものと私は思っていた。
実際、夏にはいろんな学校の体験入学に参加したし、秋ごろには大体何処に行くかの目星はつけていた。

年も改まり、いよいよ卒業が近づいてきた頃、一宏がとんでもないことを言い出した。
「イギリス行くわ」

話は少し遡る。
あるコンテスト形式のライヴでのこと。
自信満々で挑んだそのライヴは、だが、何の賞にもひっかからないという散々な結果に終わった。
その結果に納得のいかなかった一宏は、会場近くにあった電話ボックスを蹴り壊してしまった。
だが、そのことで己の未熟さを痛感した一宏は、自分を鍛えなおすため、自衛隊に入ろうと決心したのだった。
そのことを両親に話すと
「お前にはイギリス国籍がある。どうせなら世界で最も過酷な部隊、SASを目指してはどうか。ついでに母さんの故郷がどんなところかも見てきなさい」
といわれ、渡英を決心したのだった。

後年、彼がSAS=英国陸軍特殊空挺部隊でマスターにまで上り詰めたことは、読者諸君もご存知のこととは思うが、それはまた別の話だ。



作者渡英のため次週は休載させていただきます。
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posted by ニヒリストHILAO at 15:09| Comment(0) | 死国編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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